バッタキ

安東ウメ子

レーベル第二弾作品は、ウポポ(歌)とムックリ(口琴)の名手として知られ北海道帯広地方のアイヌ民族文化後継者の一人として知られる安東ウメ子氏による2001年リリースの”イフンケ“より3曲を抜粋。

朝崎氏のよいすら節同様に、いにしえより伝え継がれたオリジナルを尊重しながらも常に新しい世代に向けて挑戦を恐れない姿勢で新しいスタイルを取り入れながらアイヌ音楽を国内外へ発信し続けた安藤ウメ子氏。 A1“バッタキ“はアイヌのウポポと、OKI DUB AINU BANDのOKI氏によるアイヌに伝わる弦楽器トンコリ&パーカッションというフォーキーサウンドが融合したスタイル。A2, A3は対照的にアイヌ原始の姿そのままに奏でられるムックリ。B面には”バッタキ“にジャズの要素を注ぎ込んだJoe Claussellによる14分超えのリミックスが収録されている。

インディアンやエスキモーといった先住民族同様、アイヌも元来北海道の大地を自然とともにダイナミックな生活を送り、独自の文化を開花させていた。 北海道の地名はアイヌ語を無理やりに当て字したものであることは周知の事実だ。 観光の為にイメージ作られた、自然のままに生きる素朴なスタイルとはかけ離れた独自の高度な文化や慣習、貿易による海外との通商はアイヌからイメージしづらい。西洋化する和人(アイヌ以外の日本人)が不当なやり方で土地を奪い、自分達に都合の良い価値観を押し付けてきた歴史があった事を忘れてはならないだろう。 勇気ある先人達が、アイヌとしての誇りを取り戻すべく発信してきたこと、間違いなくその中の人である安東ウメ子氏、プロデューサーであるOKI氏の作品を世界へ向けてリリース出来る事はレーベルとしての喜びだ。

音源をリリースするだけではなく、その音楽の背景もジャケットという媒体を使って届けられるのもレコードでリリースする意味の一つであり、簡素な穴あきスリーブに音源のみを収めたものとはその意味において全く異なる。 リミキサーであるJoe Claussellは、音源をリミックスするという作業をしたのではなく、この音楽の中に見出した世界観を自身の音楽観で再現した。 第一弾から4年も経ってしまったが、4年前この曲達のリリースを決めた時と同じ感動を持ち続けられた。第一弾同様に世界中で末永く聴いて頂けると確信している。

バッタキ